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2005年9月20日 (火)

DVD「アイデンティティ」視聴

嵐の中偶然に同じモーテルに足止めを食らった11人の男女。やがてそこで次々に殺人が発生。
やがて彼らは自分たちに奇妙な共通点があることに気づく。。。。。

ずばりこれは面白い!
色々な映画的要素が満載です。

ラスト手前で物語りは意外な展開を見せます。反則だという人もあるかもしれませんが、それなりの伏線はちゃんとちりばめられており、CHON的には納得でした。
そして最後、終わったかと思いきや本当のラストが。。。

とにかく面白かった。
見終わった後、思わずもう一度見返したくなる映画です。

まず冒頭、何の説明もなく死刑囚の再審議(?)が死刑前日に行われるというシーンで始まります。死刑囚の日記が見つかったとか。
これが本編とどう関わってくるのか、この時点では全く見えません。

そして、本編開始。
嵐の中、それぞれの事情を抱えて次々にモーテルに集まってきます。
まずは、ジョージとアリス夫妻とその息子ティミーのヨーク一家。母親が交通事故に遭い、助けを求めてモーテルに。
次に、その事故を起してしまった運転手エドと、その車に乗っていた有名女優キャロライン。
さらには、一人の売春婦パリスと、結婚したばかりの若い男女ルーとジニー。
そしてモーテルには管理人がひとり。

最後に、囚人と彼を護送中の刑事ロード。

これで計11人。

嵐はやむ気配がなく、電話もまったく繋がらない状態で、事故で瀕死のアリスを病院に連れて行くことも出来ません。

そしてついに殺人が起きます。
最初の犠牲者は女優キャロライン。首を切られて洗濯機の中に放り込まれていました。
そして次々に犠牲者が。。。。

犠牲者の横には必ずモーテルのルームキーが置いてありました。
それは最初の犠牲者が「10」、次が「9」というふうにどんどんカウントダウンしていくのでした。

という感じで、序盤の物語は「嵐の孤島もの」定番の展開を見せます。
ところが後半であっと驚く展開を見せることになるのです。

【以下ネタバレ注意】 未見の人は絶対に読まないで!

ここで考察。

この映画には多くの伏線や、あえて誤解させるようなミスディレクションがあります。
ちょっと整理してみます。

・11人が集まったのは、どう考えても偶然であり、誰も関与する余地はなかった。
・女優の「一番良い部屋を」という要求で管理人は8号室を指定したが、その部屋は良い部屋ではなかった。
・上着を脱いだ警官の背中はなぜか血に染まっていた。
・運転手は元刑事で、ある事件で引退。後遺症で時々意識障害になる。
・階段を登ったら知らない人がいて・・・・という詩
・死刑囚マルコムは幼い頃売春婦だった母親から虐待を受け、モーテルに捨てられた。
・マルコムの誕生日は5月10日で、彼が連続殺人を犯したのも5月10日だった。(冒頭に示される)

これらは、映画を見終わった後、なるほどそういう意味か!という伏線になっています。
その一方で、明らかにミスディレクションを狙った演出も多くありました。

まず、モーテルとは別場面で裁判官たちがいるシーン。外は嵐で囚人マルコムの到着を待っています。
一方、嵐の中モーテルには囚人を移送する途中の刑事が立ち寄ります。

ここはつながりで見せられるので、モーテルに寄った囚人がマルコムだと誤解してしまいそうになります。
(実際は冒頭でマルコムの写真が提示されているので良く見ている人はそうでないことが分かるのですが)

次に、父親が「自分は再婚で子どもは自分の子ではない。本当の父親は2年前に出て行った」というセリフの直後に、その子どもが到着した囚人を見て表情を変えるシーンがあります。
これも、その囚人が少年の父親かも?と思わせる感じの演出です。

更にもっとも大きなミスディレクションが、モーテルの場所が先住民墓地があるエリアだということ。
これによって、オカルティックな展開を連想させています。
これは、登場人物の口からも「幽霊の仕業かも」というセリフに表され、また囚人が脱走し懸命に逃げてたどり着いた場所が、何故か元のモーテルだったのも、このミスディレクションを強調しています。

先に進みます。

生き残っているのが、刑事ロード・運転手エド・売春婦パリス・管理人ラリーの4人となった終盤近くで、物語は急展開を見せます。

モーテルに集まった人の誕生日が皆5月10日であり、更に皆苗字にアメリカの州の名前がついていることに気づいたエドは愕然とします。
そんなことはあり得ない。。。みんながここに集まったのはあくまで偶然だったはず。。。。
狂乱寸前のエドは思わず「階段を登ったら見えない人がいた。頼むから消えてくれ」という詩を口ずさむと、どこからか彼を呼ぶ声が。。。。

気が付くと、エドはある一室で判事たちに囲まれていました。そう冒頭のシーンの部屋です。
エドに向かって精神医が驚愕の真相を告げるのです。

・死刑囚マルコムは多重人格者で、殺人を犯したのはそのうちの1つの人格であること。
・エド自身もマルコムの人格の1つであること。
・精神治療で強制的にマルコムの人格を一箇所に集めたこと。
・ぶつかった個々の人格は衝突し、消滅していくこと。
・殺人犯の人格が消滅したことが確認できれば、死刑は免除されること。

そんなことはとても信じられないエドですが、鏡を見せられ、それに映る顔が自分でないことに気づき、精神医の話が真実だと気づきます。

「モーテルに集まった11人は全てマルコムの人格であり、モーテルの事件は全て彼の精神の中で行われていた」
普通にサスペンスだと思ってみたいた視聴者はぶったまげる展開。。。

その頃モーテルでは、パリスが、警官と思っていたロードは実は囚人だと気づきます。
ラリーにそのことを告げようとしますが、ラリーもロードに撃たれて死亡。
パリスは必死に逃げます。

そこへ、全てを把握したエドが戻ってきました。
彼はパリスを生き残らせるために、相打ち覚悟でロードに向かっていき、二人とも死亡。
最後に一人残ったパリスは泣き叫びます。。。。。。

彼ら人格たちのセリフは全て、判事室にいる面々にはマルコムの独り言として認識されます。
判事たちは、たった一人パリスだけが生き残ったことを知るのでした。

死刑は回避されマルコムは病院に移送されます。

そのとき、マルコムの精神内では。。。。。
一人残ったパリスは、念願であったフロリダの果樹園を購入し、一人静かに暮らしていました。
しかし、土を耕していたパリスは、土の中に何かを見つけます。

それは、キーでした。あのモーテルのルームキー。
ナンバーは1。最後の1つ。。。。

そうマルコムの頭の中での連続殺人はまだ終わっていなかった。
そのパリスの横に立つのは、死んだはずの少年ティミー。
自動車爆発には巻き込まれず、生き延びていたのでした。

「地獄に堕ちろ!このあばずれ!」そう言い放って、パリスに一撃。
マルコムの多重人格の中で生き残ったのは、最悪の結果。連続殺人犯の人格だったのです。。。

前半の展開から、急展開を見せ一気にラストへ。全く目の離せない展開でした。
ネタが分かった瞬間に、今までの謎や犯人探しが無駄になることなく、最後まで引っ張っていった脚本は見事だと思います。

全て見終わって、表題「アイデンティティ」の意味に納得させられます。11個のアイデンティティによる物語。見事。
面白い映画でした。

とにかく自分の好みにはバッチリはまりました。オススメです。

CHON的評価90点

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